183日ルールについて

【この記事は2024年10月に作成されました】

税務上「アメリカの居住者」と「非居住者」を見極めることは非常に重要なポイントです。使うフォームも異なりますし、適用できる控除等もかなり違いがあるからです。

そこで、居住/非居住を判断するうえで頻繁に登場する、通称「183日ルール」について、IRSのwebサイトを参考にしつつまとめました。

183日ルールの概要

183日ルール(正式名称:Substantial Presence Test)とは「以下の要件を満たす者を税務上のアメリカ居住者とみなす」という決まりです。

(1) その課税年度内に最低31日間滞在していた
(2) 「その課税年度内の滞在日数」+「前年度の滞在日数×1/3」+「前々年度の滞在日数×1/6」の合計が最低183日である

たとえば、今回の課税年度が20×3年であり、20×1年・20×2年・20×3年の滞在日数がすべて120日だったとしましょう。
その場合、(1)の要件は満たしますが、(2)の要件は満たしません。120+40+20=180 < 183 になるためですね。
よってSubstantial Presence Testにおいては、アメリカ居住者として認められない、ということになります。

🤔taxpayerがこのtestを満たすかどうか検討するときは、まず当該年度の滞在日数を確認すると良いでしょう。当該年度の滞在日数が31日に満たない場合は、前年・前々年を検討するまでもなく、このtestの要件を満たさないと判断できるからですね。

「滞在する」とは?

「滞在する」という語の定義は「その日の任意のタイミングで、物理的にアメリカに存在している」となりますが、いくつかの例外があります。

・カナダやメキシコから定期的に通勤する者が、アメリカで働くためにアメリカに存在すること
・トランジットのために24時間未満だけアメリカ国内に存在すること
・国際船舶の乗組員としてアメリカに存在すること
・アメリカ滞在中に起きた健康上の問題が原因でアメリカを離れられず、やむを得ずアメリカに存在すること
・当該tax payerがexempt individual(後述)であること

Publication 519を紐解くとさらに詳しい例外について書かれていますが、本記事は詳細に立ち入ることはしませんので省略します。

Exempt Individualとは?

上で触れましたが、taxpayerがexempt individualである場合、滞在日数はカウントされず、したがってSubstantial Presence Testをクリアしません。
なお、exemptという名前がついているため紛らわしいですが、exempt individualは課税が免除されるわけではありません。アメリカにいてもSubstantial Presence Testを行ううえで滞在日数がカウントされないという効果のみである点に注意しましょう。

(1) 一時的にアメリカに滞在している、A-3・G-5以外のAビザやGビザを持っている外国政府関係者
(2) 一時的にアメリカに滞在している、ビザの要件を満たしたうえでJビザやQビザを持っている先生や訓練生
(3) 一時的にアメリカに滞在している、ビザの要件を満たしたうえでFビザ・Jビザ・Mビザ・Qビザを持っている先生や訓練生
(4) チャリティーイベントにて競技するために一時的にアメリカに滞在しているプロアスリート

なお、exempt individualであること、または先述の健康上の問題でアメリカを離れられない者であったことを理由に滞在日数をカウントしないことを求める場合、TRする際にForm 8843を含める必要があります。IRSのサイトによれば「timely」とも書かれていますので、期日を必ず守ったうえで8843を提出しましょう(ただし徒過に対して救済措置はあり)。

Closer Connection Exception

仮にSubstantial Presence Testをクリアしたとしても、Closer Connection Exceptionというルールに該当する場合は、非居住者として税務上扱われる可能性はあります。

このExceptionについて細かくは立ち入りませんが、留学生であればこちら、それ以外であればこちらを参照してください。
ごく簡単に述べるならば、「tax homeがアメリカ以外の別の国にあり、かつその状態を丸一年維持しており、かつアメリカのグリーンカードに関する手続きを行ったことがない」という者の場合、その者はいわば税務的にはアメリカよりも当該他の国により密接な関係(closer connection)があるとみなされ、アメリカでは非居住者扱いになる、というルールです。

比較:Physical Presence Test

似た名前のテストに「Physical Presence Test」というものがありますが、これはForeign Earned Income Exclusion(外国所得控除)を適用するために検討するものであり、別物になります。

終わりに

そのtaxpayerが居住者か非居住者なのかを見定めるのは、Tax Returnを行ううえでの最初のステップです。この判断を誤ってしまうとすべての申告書をイチから作り直したり、taxpayerから資料を集めなおしてもらったりする必要が生じてしまうため、期日までに申告が終わらなくなってしまうかもしれません。

慎重に確実に確認をするようにしましょう。

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