【この記事は1月16日に作成されました】
NY税制はアメリカ連邦税制と異なるポイントが多いため、一つひとつの概念をしっかりと理解していなければミスに繋がりかねません。
NY税制の概念として、本記事では「居住」に着目していきます。
定義 「domicile」
Domicileという概念は NY Compilation of Codes, Rules and Regulations Title 20 §105.20(d)で定義・説明されています。いくつかポイントを列挙すると、以下のようになります。
※カッコの数字は§105.20(d)のどこに書かれているかを表します。
※Armed Force関連の細則については割愛します。以下、本記事のあらゆる項目において同様です。
- 当該者の恒久的な家として意図されている場所 (1)
- 単に限られた時間だけ滞在する場所であれば、その移動先はdomicileとはならない。固定的で恒久的な場所変更をするという真正な意図を持って移動しない限り、domicileは変更されない(2)
- 前の家を売却・処分したり、新しい場所で登録や投票をしたりするとしても、それだけではdomicileが変わったと結論づけることはできない(2)
- 変更するためには、domicileを変更する必要な意図を立証する義務を負う(2)
- Domicile概念は国籍に依存しないため、アメリカ市民権を持っていない者がNY domicileになることもありうる。しかし、アメリカ市民権を持っている者は、明確に恒久的住居を国外に移す意図がない限り、普通はdomicileを国外に移したとはみなされない(3)
- Domicileはひとつしか持てない(4)
- 住居を複数持つ者は、そのうちのひとつがdomicileとなるが、判断基準として滞在日数が重要である。しかしそれだけで結論づけることはできない(4)
- 夫婦のdomicileは基本的に同一となる。しかし事実上別居している場合は、それぞれ別のdomicileを持つことになる(5)(i)
- 子どものdomicileは、独立する年齢に到達し、かつ実際に別個のdomicileを確立するまで、基本的に親のdomicileと一致する。親が別居している場合、当該年のより多くの日数をともに過ごした親のdomicileに一致する(5)(ii)
ざっくり「個人がひとつしか持てない、恒久的に滞在するメインの家」のようなイメージで良いでしょう。
定義 「permanent place of abode」
Permanent place of abodeの概念は§105.20(e)で定義されています。
- 自身が保有しているか否かを問わず、自身が維持する恒久的な居住場所(1)
- 配偶者が保有または賃借している場所も含む(1)
- キャンプやコテージのような休暇中のみ利用される場所、炊事や入浴など普通の住居にあるような施設を持たない場所は該当しない(1)
- フルタイムの学生が在学中に居住する場所も該当しない(1)
ざっくり「恒久的に滞在する目的で保有され得るような、いわゆる『家』」というイメージで問題ないと思います。
定義 「resident」
Residentの概念は§105.20(a)で定義されています。
- NY州にdomicileを持つすべての者で、後述の例外に該当しない者
- NY州にdomicileは持たないが、permanent place of abodeを実質的に通年で州内に持ち、かつ合計183日超を州内で過ごした者
※州外にdomicileを持つが、州内にpermanent place of abodeを持つ者は、自身が非居住者だと証明するために、州内で183日超を過ごしていないという記録を保管しておく必要があります。
上記のひとつ目の規定については、同(b)で例外が規定されています。
パターン1と2のいずれかを満たせば、NY州にdomicileを持っていたとしても税務上のresidentとは見なされません。
パターン1(以下のすべてを満たす)
- Permanent place of abodeを州内に持たない
- Permanent place of abodeを通年で州外に持っている
- 課税年度内に州内で過ごしたのが通算30日以下である
パターン2(以下のすべてを満たす)
- 連続する548日間のうち少なくとも450日はアメリカ国外にいた
- 当該548日間のうち州内にいたのが90日以下、かつ配偶者(法的別居の者を除く)や未成年の子どもが90日超を過ごしたようなpermanent place of abodeを州内に保有していない
- 当該548日間が開始する課税年度および終了する課税年度における非居住期間中、NY滞在日数が「90日×非居住期間日数÷548」を超えない
🤔わかりにくいですが「足かけ2年もしくは3年の間、NY滞在割合が6分の1を超えてはいけない」とイメージするとわかりやすいです。
なお、ここでいう「滞在」に関しては§105.20(c)に規定があります。
- その日の一部分でも州内に滞在していれば、1日滞在していたとカウントする
- ただし、単に州外に移動するために飛行機・船・電車・バスに乗る目的で滞在していた場合や、州外から州外に移動するために通過しただけの場合は除く
定義 「nonresident」「part-year resident」
Nonresidentという概念は非常にシンプルであり、New York Tax Law(TAX)§ 605(b)(2)にて「an individual who is not a resident or a part-year resident」と定義されています。
Part-year residentの定義は、同(5)で「an individual who is not a resident or nonresident for the entire taxable year.」と定義されています。
代表例としては「年の途中でdomicileがNY州外から州内に移動した」がありますね。
補足:NYCやYonkersについて
NYCやYonkersの定義も、本記事で述べた「NY州におけるresident / part-year resident / nonresident」と同様に考えることができます。適宜条文を読み替えて解釈してください。
最後に
連邦においてもNYにおいても、居住概念は申告のファーストステップとして非常に重要です。本記事を通じて確実に理解しておきましょう。

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