【この記事は2025年1月12日に作成されました】
Form 8867は「Paid Preparer’s Due Diligence Checklist」、つまり有償で顧客のために申告書を作成する者が、きちんと守るべき事柄に注意を払っているかどうかをチェックするためのリストです。
Taxpayerと面談を行い、必要な質問をし、適切かつ十分な情報をゲットしなくてはいけないとされていますが、そのような適切な手順を踏んだことを主張・証明するのがこのFormです。
後述するいくつかの税額控除(以下Credit)などを適用する場合、これを申告書に添付しなければならないとされています。
🤔不当に還付額を増やしたり、不当に税制上有利な立場に立ててしまうリスクがある制度を適用するとき、「申告書作成者として十分な注意を払いました」ということを示すための宣言書、というイメージで良いかと思います。
🤔語呂合わせ:阻むなぁなぁの有利な申告
IRSのinstructionはこちらですので、詳細について知りたいときや確実なソースに当たりたいときは各自ご覧ください。
どの制度において必要か?
For 8867は以下のCredit(税額控除)を適用するときに用いられます。
・Earned Income Credit(EIC)
・Child Tax Credit(CTC)およびAdditional Child Tax Credit(ACTC)
・Credit for Other Dependents(ODC)
・American Opportunity Tax Credit(AOTC)
本記事ではそれぞれのCreditの詳細に立ち入ることはしませんが、おおむね「あまり所得が高くないtaxpayer」「子供や扶養家族がいるtaxpayer」「教育費を払っているtaxpayer」の場合、これらのCreditについて検討する必要が出てくる、と覚えておくと良いでしょう。
また、Filing StatusがHead of Household(HOH)である場合もForm 8867が必要になってきます。HOHの詳細な定義についても各自調べてみてください。
🤔HOHの場合、Standard Deductionが大きくなるほか、税率においても優遇があるため、悪用すればかなり税額を抑えることができてしまうわけです。
それぞれの項目について
Form 8867は、Form自体に書かれていることに従って記入していくだけではありますが、下記の点については少々覚えておくと良いでしょう。
(1) Line 5:Record Retention Requirement(記録保持要件)
実際にどのような書類にもとづきCredit等を主張しているのかを記載する箇所があります。代表的な例はIRSがいくつか具体的に挙げてくれていますので、そちらを参照すれば良いでしょう。
挙げられているものをざっくりまとめるならば、「サービス提供者からの記録」「医療等の領収書」などが多いかと思います。
(2) Line 7:Form 8862について
前年にCreditを主張したにもかかわらず、事務的ないし計算ミス以外の理由によって適用が却下された場合、Form 8862「Information To Claim Certain Credits After Disallowance」を提出しない限りCreditを適用してもらえません。
こういったことがなければNoにチェックを入れればOKですが、もしYesの場合は質問7aに回答しましょう。
※HOHを主張する場合は「N/A」にチェックを入れます。
🤔語呂合わせ:阻む2回目のCredit却下
(3) Line 9:EICについて
Earned Income Creditを主張する場合、かつ適格子どもがいる場合は、9a~9cを回答することになります。
もし子どもがないtaxpayerがEICを主張する場合は、この箇所については記入する必要はありません。
🤔Line 9は子どもが適格性を満たすかどうかの質問なので当然ですよね。
(4) Tiebreaker Ruleについて(Line 9c)
Tiebreaker Ruleとは、ひとりの適格子どもに対して、EICを主張しうるtaxpayerが2人以上存在する場合のルールです。
🤔そのような子どもがいる場合、複数のtaxpayerがその子どもを適格子どもとして扱い、結果としてIRS側で税収が減ってしまうことに繋がりかねませんから、そういった不都合を防ぐルールが存在するわけです。
終わりに
Form 8867自体は、書かれているとおりにチェック等していけば良いだけのFormであり、計算等も必要ないため、決して難しいものではありません。
ですが「対象となるCreditを主張したりFiling StatusがHOHになっていたりするのにForm 8867が添付されていない」というケースは確実に防がなければいけないため、どのCreditがForm 8867の対象になっているのかは必ず覚えておきましょう。
また、もちろん中身の伴っていないForm 8867にならないよう、きちんと情報の正確性等を確認しながらチェックしていくことも肝要です。故意であろうとミスであろうと、誤った情報に基づいてTax Returnを行ってしまうことは、taxpayer・IRS・Preparerの三者すべてにとって百害あって一利なしです。

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